【小まとめ】等差数列と同心円集合と一次関数
ある意味、自然数(Natural Number)や整数(Integer Number)が何か規定する等差数列(arithmetic progression)あるいは算術数列(arithmetic sequence)の定義(definition)こそが数理計算(mathematical computing)の出発点といえましょう。
等差数列(arithmetic progression)あるいは算術数列(arithmetic sequence)の定義(definition)は以下。
- 与えられた区間(interval)において「隣接する項が公差(common difference=共通の差)を持つ数列(sequence of numbers with common difference)」の事で、計算上の初項(Initial term)をa[1] 、公差をdとすれば、n番目の項a[n]はa[n]=a[1]+(n-1)dとなり一般にa[m]=a[m]+(n-m)dと書く。この記述を一般項(general term)という。
この表現を用いると、例えば以下の単調数列(monotonic sequence)は自明の場合(torivial case)としてそれぞれこの様に表現(explession)される。
- 自然数(Natural)N[n]={1,2,3…,1+(n-1)*1}…区間1~無限大Inf、初項1、公差1、一般項1+(n-1)*1
- 整数(Integer)Z[n]={0-(n-1)*1,…,-3,-2,-1,0,1,2,3,…1+(n-1)*1}…区間無限小-Inf~0~無限大Inf、初項0、公差±1、一般項0±(n-1)*1
- 偶数(Even)[n]={-2n,…-6,-4,-2,0,2,4,6,…2n}…区間無限小-Inf~0~無限大Inf、初項0、公差±1、一般項0±(n-1)*2
- 奇数(Odd)[n]={2n-1,…-5,-3,-1,1,3,5,…2n+1}…区間無限小-Inf~0~無限大Inf、初項0、公差±1、一般項0±(n-1)*1
自然数の様に片側の端点(end point)のみが無限大Infもしくは無限小-Infに開き(open)、もう片側が閉じた(closed)半開区間(semi-open interval)で仕切られた算術数列を片側無限算術数列(one-sided infinite arithmetic sequence)、整数や偶数や奇数の様に無限大Infと無限小-Infに挟まれた開区間(open interval)で仕切られた算術数列を両側無限算術数列(Two-sided infinite arithmetic sequence)と呼ぶ。
その振る舞いは公差dに符号の向き(Sign direction)に依って定まる。
ちなみに両側とも閉じて有限個の項しか持たない閉区間(closed interval)の算術数列は有限算術数列(Finite arithmetic sequence)と呼ばれ、初等数学でいうところの等差数列は概ねこれを指す。有限算術数列の和は算術級数 (arithmetic series) と言う。
- dの符号が正(plus)ならば、その数列の項(term)は増加数列(increasing sequence)を構成し無限大Infに発散(divergence)する。
- dの符号が負(minus)ならば、その数列の項(term)は減少数列(decreasing sequence)を構成し無限小-Infに発散(divergence)する。
こうした記述は一般には数直線(Number line)に関する話と解釈されます。しかし実際にはそれはトポロジー(topology=位相幾何学)的には「(自然数や配列の様に1で始まるタイプを除くと)初項(Initial term)=0の原点のみで固定された直線(line)」に外ならず、ぐるりと回せば円を描き、かつ目盛りが振られているので同心円集合(Concentric set)を構成するのです。しかもそれは以下の2つのタイプに大別される展開を迎えます。
①0を初項(Initial term)とし、片側の端点(end point)のみが無限大Infもしくは無限小-Infに開かれた片側無限算術数列(one-sided infinite arithmetic sequence)。
②0を初項(Initial term)とし、無限大Infと無限小-Infに挟まれた開区間(open interval)で仕切られた両側無限算術数列(Two-sided infinite arithmetic sequence)。ただし例えば平面上における実装方法には以下の2種類がある。
- 直線y=0を軸線に選んだ形(xの座標が-1から+1にかけて推移。yは決して0以下にならない)。
- 直線x=0を軸線に選んだ形(yの座標が-1から+1にかけて推移。xは決して0以下にならない)。
後者はまさに一次関数(linear function)y=axおよびx=ayの振る舞いそのものですね。
- 関数y=axの形(傾きaがΔx/Δyで定義される為、関数y=-axとの狭間となるy=0の時点で0除算が発生し計算継続不可能となる)
- 関数x=ayの形(傾きaがΔy/Δxで定義される為、関数x=-ayとの狭間に該当するx=0で0除算が発生し計算継続不可能となる)
以下続報…