「数理演算の基礎」

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【数理計算(mathematical computing)概念の出発点】数列(numerical sequence)とただの数の列(Sequence of Numbers itself)の峻別

数理計算(mathematical computing)の出発点は、まさに以下です。

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数列(numerical sequence) - Wikipedia

数が列になったもの (sequence of numbers) を言う。ある(number)はそれ単独で興味深い性質や深い意味を持っているかもしれない。単独ではそれほど面白くはない数たち(numbers)もまとめて考えると興味深い性質を持つかもしれない。数列を考える意識は後者に属する。

あくまで常に「認識可能範囲外を跋扈する絶対他者」を意識し続けるこのサイトの記法(notation)に従えば、かかる判断の瞬間に何かしらの形では有意味(significant)な数列(numerical sequence)が切り取られる一方、「とりあえず」その条件を満たさない様に見える「数字の列そのもの(SoNitself=sequence of numbers itself)」の残りが残余集合(residual set)を構成する展開を迎えるのです。

 統計言語Rによる実装

 #全てのデータをベクトルとして扱う統計言語Rにおいては数列単位の四則演算(冪乗算含む)や比較が可能である。

c(1,2,3)+c(2,1,3)
[1] 3 3 6
c(1,2,3)-c(2,1,3)
[1] -1 1 0
c(1,2,3)*c(2,1,3)
[1] 2 2 9
c(1,2,3)/c(2,1,3)
[1] 0.5 2.0 1.0
c(1,2,3)^c(2,1,3)
[1] 1 2 27
c(1,2,3)>c(2,1,3)
[1] FALSE TRUE FALSE
#プログラム言語上の実装様式の確認用も含め、とりあえず最小1、最大5の乱数10個を生成する。
cx=c(1:10)
cx
[1] 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
cy=round(runif(10,1,5))
cy
[1] 4 4 1 2 1 5 3 2 1 2

#これ自体は数列(numerical sequence)ではない。添字(index)nを勝手に指定したときに対応する項(tarm)の値(value)a[n]こそは一応定まるが、とりあえず数の"並び"に何の規則性も見出せないからである。

表の出力

library(xtable)
SoNitself01<- data.frame(Index=cx, Value=cy)
print(xtable(SoNitself01),type="html")

  Index Value
1 1 4.00
2 2 4.00
3 3 1.00
4 4 2.00
5 5 1.00
6 6 5.00
7 7 3.00
8 8 2.00
9 9 1.00
10 10 2.00

グラフの出力

plot(SoNitself01$Index,SoNitself01$Value,type="b",main="Sequence of Numbers itself",xlab="Index",ylab="Value") 

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  • 数列とは例えば正の奇数を小さい順に並べた1, 3, 5, 7, …の様な有意味な数の“並び”を指す。
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  • 並べる数に制限を加え、例えば自然数(Natural number)あるいは正数(Positive number)のみを並べるならば、これを自然数列集合(group of NATULAL sequence)Nと略称する。メモリ確保上の必然性から0負数(Negative number)を扱えないプログラミング言語などにおける配列(array)の添字もこれに該当する。

  • 整数有理数実数、複素数などのほかの数体系を用いる場合も同様に0負数を数の定義に加えた整数列集合(group of INTEGER sequence)Zm/n(ただしmは整数、nは自然数)の形式で定義(definition)される分数(fraction)の概念(独Konzept、英仏concept)を加えた有理数列集合(group of RATIONAL sequence)Q、これにさらに有理数の概念では定義不可能な順序数(ordinal number)としての無理数(Irrational number=無比数)の概念を加えた実数列集合(group of REAL sequence)R、さらに例えばi^2=-1i^2=j^2=k^2=ijk=-1の形式で定義される虚数(imaginary number)の概念を加えた複素数列集合(group of COMPLEX sequence)Cなる略称を用いる。

各々の数の“置かれるべき場所”は数列の (term) と呼ばれます。数の並びが数列と呼ばれる為には、数列の各項を“順番に並べる”こと、つまりそれぞれの数が何番目の項に配置されているのかを一意に示すように番号付けができなければなりません。この番号を添字(index)と呼び、それぞれが各項の(value)に1対1で対応します。

  • したがって、“最も簡単な数列”は自然数を小さい順に並べた数列1, 2, 3, 4, …ということになる。この場合、添字(index)と各項の(value)が一致する。
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  • 自然数順序数(ordinal number)や全順序集合 (totally ordered set) や順序型order type)といった位相幾何学的概念(Topological concept)の出発点でもある。

考える数列に端が存在する場合があります。数列の端に存在する項は、その数列の最初の項、または最後の項であると考えられます。数列の最初の項をその数列の初項first term)といい、最後の項を数列の末項last term)と呼びます。

  • 数列に対して必ずしも初項と末項を定めることはできない。たとえば「すべての自然数」を表わす数列の項の数は「自然数の個数」に等しいが、自然数は無限に存在するため、その末項は存在しない。このように末項が定まらないような数列は、無限数列infinite sequence)と呼ばれ、末項を持つ数列は有限数列finite sequence)と呼ばれる。
  • 関数aの定義域を整数全体の集合Zに変え、初項や末項のない両側無限数列Two-sided infinite sequence (an)n∈Z を考えることもある。両側無限数列は実質的に 2つの片側無限数列(One-sided infinite sequence)の合成であり、n = 0などを基準に番号の付け替えを行えば、1 つの片側無限数列に直すことができる。
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初項を表わす添字は自由に与えることが出来て、議論や計算を簡単にするように選ばれますが、慣習的には0または1が与えられる事が多いです。例えば有限数列の初項の添字を1から始めた場合、末項は項数に等しい添字nが与えられるため、記述が簡単になるからです。

  • 任意の添字nに対応するa[n]の定義を一般項 (general term) という。一般項は必ずしもn明示的な式として定まっているわけではないし、一般にその必要もないが、nを勝手に指定したときに対応する項a[n]がきちんと定まると言える必要はある。

    統計言語Rによる実装例

    cx=round(runif(10,1,5))
    cx
    [1] 5 4 3 4 3 2 4 2 5 3
    cy=round(runif(10,1,5))
    cy
    [1] 2 4 2 2 3 3 2 4 3 5
    cx[cy]
    [1] 4 4 4 4 3 3 4 4 3 3

    #これ自体は数列(numerical sequence)ではない。添字(index)nを勝手に指定したときに対応する項(tarm)の値(value)a[n]こそは一応定まるが、とりあえず数の"並び"に何の規則性も見出せないからである。

特別な数列には、項の並びに規則性のあるものがあります。代表的なものは、等差数列や等比数列あるいはフィボナッチ数列のように漸化式で定義される数列などです。

以下続報…