【数理計算(mathematical computing)概念の出発点】データ(Data)から情報(Information)を経て知識(Intelligence)へ。
「人工知能(AI=Artificial Intelligence)とは何か?」についての根本的問い掛け…
単数形はdatum(データム)。漠然と事実や資料の集合を表現する言葉だが、言語的に複数形である事から厳密には複数の事象や数値の集まりを指す。
概念(concept)
伝達、解釈、処理などに適するように形式化、符号化されたもの、または再度情報として解釈できるものをいう。与件または所与ともいう。英語のdataやdatumはラテン語・イタリア語のdare(ダーレ、「与える」)を語源とする。中国語では「資料(ツーリャオ)」または「數據(シューチー)」ともいう。
直面している問題の解決や、意思決定に役立つか否かという観点から、データと情報を区別する場合もある。その場合においてデータとは、情報を生みだすための素材のことを呼び、データのなかの問題解決に役立つ材料のみを情報とよぶ。データを受けとった人によって、さらにはその人の状況によって、データであるか情報であるかは変化することになる。
端的に言うと、意味のあるデータが「情報」である。
規格上の定義
国際標準化機構の「ISO/IEC 2382-1」および日本工業規格の「X0001 情報処理用語-基本用語」において、「データ」の用語定義は "A reinterpretable representation of information in a formalized manner suitable for communication, interpretation, or processing."「情報の表現であって、伝達、解釈または処理に適するように形式化され、再度情報として解釈できるもの」とされている。
電子データ
コンピュータ内にあるか、コンピュータに取り込める形になったデータである。例えば、単なる印刷物上の文字データと区別して、文字コードに変換された文字データ、単なる印刷物上の画像データと区別して、ビットマップデータやJPEG方式の画像に変換された画像データなどをいう。コンピュータ内部の情報処理の場合は、わざわざ電子データと称することはほとんどない。
日本では刑法条文などで用いられている法律用語の「電磁的記録」は電子データおよび磁気データとほぼ同じ意味である。
磁気データ
磁気記録されているデータである。磁気テープ、磁気ディスクなどのコンピュータ用の媒体や、ビデオテープ、定期券などの磁気ストライプに蓄えられる。近くに強力な磁石があると影響を受けて変化することがある。
モデルデータは、関連するものがひとまとまりにされ、整理されて保管されることが多い。これをデータ保管とよぶ。そこで保管されたデータの集まりをファイルと呼ぶ。
データの流れはデータフローと呼ばれ、データフローダイアグラムなどを用いて記述される。
処理の対象にされるデータの集合をデータベースとよぶ。
処理系
コンピュータの場合にはプログラム以外のものをさし、その形態は、文書、映像、音声など様々である。レジストリやファイルやデータベースなどに収めることができる。
直接スイッチなどを使ってメモリ上に書き込む場合も有るが、大抵はプログラムによって出力され、他のプログラムなどで読み込み使われる。コンパイラなどの処理ではプログラムをインタプリタやコンパイラのデータとして扱う場合もある。またデータの中にプログラムを含むことも可能。x86などではプログラムとデータは同一のメモリー空間に配置され、設計者の意図によって区別される。
私たちが、普段使っている「情報」という言葉に相当する英語の意味を考えてゆくと、Data(生資料)、Information(情報)、Intelligence(知識)の3つの単語に分かれることに気付かされます。
- 素材であるDataに何らかの基準に基づき構造や体系を与え整理して表やグラフといったわかりやすい形に整理したのがInfomationです。
- 与えられたInformationを必要性に応じて取捨選択し、その内容を分析し、価値判断を与えたものがIntelligenceです。Informationを分析、評価して「洞察(insight)」した結果の「情報」と言えるでしょう。
つまり洞察を伴わないInformationは、Intelligenceとは言えません。
昨日「勝者の決断」という本を読んでいました。何名かの方が”孫子の兵法”や”三国志”さらには日本軍を含めた軍隊での指揮官・参謀のありかた、そして歴史上の人物に学ぶ指揮官の決断とアクションに関して書かれた本で、一編一編が短いので読みやすいと共に、論旨が明快な論文が掲載されています。
その中で、”いすゞモーターズ・ヨーロッパリミテッド”の矢澤元氏が書かれている「強い軍隊はボトムアップで動く」という論文の中に気になる記述がありましたのでご紹介します。
「インフォメーション(information)とインテリジェンス(intelligence)の違い」という章で、アメリカ軍の「インテリジェンス・サイクル」の定義に触れ、その後情報を使うことでの組織運営の強化に関して若干ですが記述されています。
筆者が紹介しているアメリカ軍の「インテリジェンス・サイクル」は
- インフォメーション(情報資料)収集を計画する
- インフォメーションを実際に収集する
- 入手したインフォメーションを処理(記録・評価・判定)してインテリジェンス(情報)にする
- インテリジェンスを配布(報告・通知)し使用する
という、良く考えると今では当たり前の作業を定義したものです。しかし、重要なことは日本語ではインフォメーションとインテリジェンスが両方とも「情報」という言葉で定義されていることです。本質的には素の情報である”インフォメーション”と、素の情報を蓄積・分析した結果で規則性や情報への評価を加えたものが”インテリジェンス”であって、似て非なるものです。
特に指揮官(マネジャ等の管理職)は1、4を中心に推進役になり、下士官(専門職)は2、3を実際につかさどることになります。従って、管理職はインフォメーションからインテリジェンスへ昇華される際に、恣意的なものがなく、適切な論理を伴っているかを確認するとともに、適切なインテリジェンスを全社(部隊)に伝え活用させることを責務として負います。
とりあえず、以下続報…